2012年2月25日土曜日

戸車の交換

家を建ててから十年近くになる。キッチンと廊下の間の引き戸がどうにも滑りが悪くなってきた。重い、ゴロゴロする、引っかかる。引き戸のレールもすり減って、やたらと黒い粉が多く出ている。この引き戸は我が家でダントツに開閉の回数が多い。なんとかしなければ!ということで、引き戸の戸車とレールの交換をすることにした。
まず、重たい引き戸を外して戸車を取り外す。寸法は測ったが、念のため現物をもってホームセンターに。付いていた戸車はATOMと刻印があったので調べるとアトムリビンテック(株)のFA-160のよう。セキチュウでしらべると同じものは無いが、家研販売(株)のSR2-V4が同じような寸法なのでこれを入手。
 
購入した戸車


 次はレール。これはVレールと云われるものだが、寸法を測ってみると幅が12mm弱のツバなしで深さ8mm弱。ちなみにはがす方法はレールの端に近いところに穴があったので適当なネジを噛ませてプライヤーでこじることで行った。こちらも同じものは無くて、駄目モトでつば有りの幅12mm深さ9mmをとりあえず購入。
さて、交換。戸車はネジを外してつけ替えあっさり終了。つば有りにつば無しを付けたけれども問題なさそう。
 Vレールには問題発生。なんと外した溝に入らないではないか。叩き込めばなんとかなると思ったのだが、どうにも微妙に入らない。無理に叩き込むと溝が剥がれると最悪の事態に。なので、とりあえず無理をしないことにしてVレールの交換は断念。削れたレールだが、はがしたレールを現状復帰させた。
購入したが入らなかったVレール
もう一度ネットで探してみよう。なんで我が家のVレールは微妙な寸法のものなのだろう・・・残念。

2012年2月20日月曜日

スピーカエンクロージャーの作成2

さて、エンクロージャーの材料である。以前作ったときはラワン合板を使っていたのだけれども、見た目を変えたいこともあって材料をネットで物色・・・。MDFという再成形材料を選択。WikiによるとMDFとはmedium density fiberboardの略で、中質繊維板というらしい。私はこれまでこの材料を知らなかったが、再成形材のため板にゆがみが無いようだし、比重も重くて良さそうだった。
 近くのホームセンターをMDFを探すけれどなかなか見つからない。やっと見つけて実物を見ると、これはラワン合板などのようにはいかなさそうで、自分で加工するのに自信がない。さて、どうするか。と思って探したところ、加工してもらえるところを見つけた。東京の新木場にあるWOOD SHOP「もくもく」さんである。ホームセンターでも最近は加工することができるが、数ミリは誤差が出ることもあるらしい。同じ誤差が出る可能性があると云っても、木材を扱う専門であるもくもくさんにお願いした方が良いと考えた。
 もくもくさんを訪ね、板の購入と加工をお願いした。加工の依頼は、前回の図面をお店の用紙に書き込むことでOK。ラフであっても、寸法と切り代分が考慮してあれば、いいとのことで、聞きながら記入した。加工には約一週間。寸法には誤差があるかも、と云われていたけれど、出来上がりは専門のお店だけあって、さすがに出来上がりはすばらしく、隙間無くぴったりに出来上がっている。余ったMDF材は、お店のレシートがあれば、次回は加工だけでもOKとのこと。これもうれしいところ。

 さて、次回は組み上げ編へ。

2012年2月18日土曜日

スピーカエンクロージャーの作成1

iMacには当然スピーカが内蔵されているが、せっかくアンプを造ったのだからスピーカも欲しい。そこで、スピーカボックスを造って、ユニットを取り付けることをやってみよう!スピーカボックス(エンクロージャー)の自作である。
 まずはどんなモノを造りたいかであるが、置く場所はiMacの両脇にしたいので、必然的にあまり大きなものは置けない。そう考えると、小型のフルレンジのスピーカユニットを使ってバスレフがいいところ。
さて、ユニットだが、フルレンジ10cmから12cmぐらいで、いろいろ調べてPARC Audio社のDCU-F121Wを使うことにした。

 自分で作るのでエンクロージャーは木材になるから、この木目調のウッドコーンはそそるものがある。コーン中央のフェイズプラグというものらしいが、銅色でなんとも、木工のエンクロージャーに合うように思えた。
 防磁だし、特性的にも、耐入力30Wと十分、出力音圧レベルも86.5dB/(m)とまずまず、再生周波数帯域も72Hz〜16kHzと良好なところ。それに、久々に作るにしてはお手軽なように、ユニットに合わせたエンクロージャー情報(箱のサイズが出ている!)もあって、便利だったこともある。自作派に向けたPARC Audio社の心配りがなんともうれしい。
 昔、会社に入ったばかりの頃に同期入社の数人とエンクロージャーにづくりに励んだことがあった。そのころは、FOSTEXやテクニクスのユニットの特性から教科書をもとに数値を割り出して作ったものだが、今回はそこをちょっと省いて作りたかったので、この箱の図面はとても便利である。
さて、エンクロージャーの寸法であるが、PARC Audio社のものは奥行きが210mm。これはちょっと iMacの隣に置くには厳しい。なので、奥行きを浅くする代わりに幅を持たせて、箱の容積をほぼ同じにしてみた。
 箱の図面は下記のようにした。

2012年2月15日水曜日

三端子レギュレータ

三端子レギュレータの特徴と使い方のメモ

 3端子レギュレータには、古くからあるいわゆる78〇〇、79〇〇系(今回はこちらのみ)と、ここのところ多い低飽和レギュレータ(LDO;Low Drop Output)がある。固定電圧出力の78〇〇、79〇〇系は各社からIC製品が出されている(例えば、TA7805、NJM7805、NJM7915、TA79015など)が、カタログを見ると基本的には同じような内部回路構成のようである。製品としては、出力電圧、電流能力、パッケージの違いで様々にある。
使い方の上での主なキーポイントは
  1. 入力電圧は出力電圧より2.5[V]以上高くしておくこと(3[V]以上かな)
  2. 入力端子、出力端子の近傍に高周波特性の良いコンデンサを対接地(GND)で入れること
  3. 必要に応じて放熱器(ヒートシンク)を設けること
ざっとはこんなところを理解していればよいと思う。
もう少し説明すると

1については、標準出力電圧15VのIC、例えばTA7815やNJM7815などの場合は、出力電圧は規格で±4%ぐらいはあるので


なので、入力電圧は18[V]以上の必要がある。
なぜ、2.5[V]という数字が出てくるかというと、出力OUT端子から入力IN端子の等価回路が下記の図のだからである。78〇〇系の出力はNPNトランジスタのダーリントン形式になっており、さらにその駆動にはPNPトランジスタのコレクタが接続されている。このため、INから出力OUTまでは



となり、出力Voutまでの電圧が必要になる。Vbeはそれぞれ約0.8[V]、Vsatは飽和電圧なので最低でも0.2[V]として計1.8[V]になる。R*Iであるが、データシートの等価回路からすると出力の過電流保護をこれでかけているようなので、おそらくR*I=0.8[V]ぐらいでかかるであろうから、最大出力電流時では先ほどの式の電圧合計は2.6[V]となる。
78〇〇等価回路抜粋
先ほどは、2.5[V]と云ったけど、こう考えれば3[V]以上で使うことが安全な設計ということになる。
言い訳すれば、出力トランジスタは大きいだろうからVbeは0.8[V]より幾分か小さいだろうし、飽和電圧もがんばればもう少し小さくても動くだろう、電流制限が効き始める電圧ももう少し小さいだろう。それでも低温では?とか云われると、はやり3[V]以上でしょう、となる。一方入力電圧Vinの上限は、3との兼ね合いになるので、後述。

2については、発振止めのコンデンサC2,C3についてはICの近くである必要がある。値はいくつが妥当かということについては、メーカのカタログの値が妥当というしかない。ただし、それでも条件によっては発振する可能性があるので、その場合は変えてみることになる。
さて、入力側の大容量のコンデンサC1については、あまり書かれていることがないようなので少し考えてみたところ、下記の条件で良いのかと思う。下の図は、ダイオードブリッジで整流後に接続するとした場合を想定している。
全波整流後波形(78〇〇入力側と想定)
ダイオードブリッジで全波整流すると、点線の波形になる。そのままだと、点線の谷の部分は、入力電圧条件を満たせない。そうなると出力電圧に影響するので、最低限入力電圧条件を満たすことが、C1の役目になる。コンデンサC1の最低限の値は、この図の場合でいうと、AC電源の半周期の時間で、想定されるレギュレータ出力のピーク電流から出力される電荷を求めて、全波整流の波形のピーク電圧からの満たすべきΔVをもとにすれば、必要な容量値が求まるだろう。これは最低なので、レギュレータ出力電圧に入力波形のリップルをできるだけ出さないためにも、入力電圧波形の凹凸減らすのにこしたことはない。
さて、最初の回路図に出力側に電解コンデンサの絵を描かなかったのだけれども、これは考えると難しいのでパス。入れる意味合いとしては、負荷の過渡応答にICだけでは追いつかないこともあるからであろう。ただし、あまり大きな容量値だと、起動時の突入電流で、ICの過電流保護回路が起動してしまうこともあることを、頭に入れておいた方がよいだろう。そのときは、起動時にばたつくかもしれない。

3は、詳しく書かれている方もあるようなので、簡単に省略。
ICの消費電力Pは、出力電流に比べてICそのものの消費電流(バイアス電流や無効電流など)は十分小さいので



入力電圧Vinと出力電圧Voutの差に出力電流Iを掛けたものになって、それは熱になるから、放熱しないとICが高温になって正常に動かなくなるということ。
ICにはデータシートにあるように熱暴走防止のためサーマルシャットダウンなどの過熱保護回路も入っているので、燃えることはまず無いけれとも、これが起動すると出力電圧を下げてしまうので、欲しい電圧が得られなくなる。傾向としては、同じ入力電圧同じ出力電流でも、出力電圧が低い場合は、ICの消費電力が大きくなるので注意が必要。18[V]入力で15[V]1[A]出力と、同じ入力電圧で3.3[V]1[A]出力になると出力電圧3.3[V]の方が5倍近い発熱になるので注意が必要ということ。

ああー、こんなに書くとは思わなかった。
簡単に使える3端子レギュレータであるけれども、細かく考えると素子の定数一つにしても奥が深い。しかしながら、結局のところ、趣味の工作なので、とりあえず使うもよし、理屈をつけて考えてもよし。所詮ICもカタログも完全ではないし、メーカもすべてを検証できている訳でもない。私としては、大事にならない程度ならトラブっても面白いし、こねくり回して使えれば良いと開き直って使ってみることが面白いのだと思う。

2012年2月7日火曜日

トロイダルトランス!

実は手持ちの稼働できる電源が貧弱で出力電流がとれない状態だったので、トロイダルの電源トランスを通販で購入。

 昔はトロイダルの電源トランスはなかなか手に入れられなくて、もっぱら積層のEIコア品のトランス(いわゆる四角いタイプ、バラすとEとIの形の鉄板でコアができているもの)しか使ったことが無かったが、ネットの便利さ!いまは通販で購入できるのだから、すばらしい。
 EI品は鉄板を組み合わせ積層してコアをつくるので、鉄板の継ぎ目で磁力線が漏れるとかあって、自分で計測したことは無いけれども効率がやや悪いらしい。ただかつて、古いトランスでコアがはがれてくると鳴ったりしたこともあったような気はする。
 トロイダルコア品は、その名の示す通りドーナッツ状のコアに電線を巻いたものなので、EIコアのような継ぎ目が無いので磁束の漏れが無いので効率が良いらしい。
 コアの材質にもよる性能差は当然あるとは思うが、トロイダルコアというのは原理的なことからして環状に磁束が閉じ込められるところがなんともいい感じに思うので、使えるならこちらを使いたい。難点は、固定方法と、重さかな。ちなみにこの写真のものは、サイズ38x93mm、出力18V x 2回路 2.2A で 1kg弱。基本的には下記の回路構成で使うつもり。

2012年1月29日日曜日

趣味の電子工作に貴賎はない!

最近、またこんなブログを書き始めているので、電子工作をされている様々な方のホームページを拝見させてもらっている。皆さん、それぞれ主張があって、面白い。なるほどと思うこともあるし、そうか!と考えさせられることもある。これな、ネットの良いところだ。
 ただ、少し基本的なところが違う方もいるようで、それは少し残念。
 私の電子工作の基本的な考え方は、たとえどんなことであっても、電子工作に興味を持って自ら実施していること、考えていること、関わっていること、に価値があるという点にある。
 自らの技術を誇るだけならいいけれども、なかには、他の方を貶して蔑むような扱いで書いている方がいる。私としては、どんなに技術が優れていてもそこに立つことはできない。セットのOPAMPを良く分かっていないで交換しようが、私としてはそれはそれで立派と思う。
 技術でモノを創りだしていることに、幅広く多くの人が関心を持つことこそ、私には最大の価値があると思うからである。

 しかしながら、この間のスピーカアンプはキワもの適当すぎた。ああ、恥ずかしい。

2012年1月25日水曜日


回路定数の決め方(概略 自分で書いて、冷や汗が出る
回路定数を決める上で必要な値として、iMacのヘッドフォン端子のオーディオ出力は最大1.6[Vrms]なので、ピーク電圧で±2.26[V]。この出力インピーダンスは24[Ω]未満とあるから、アンプ側はそれよりも十分大きいインピーダンスで受けて、可変抵抗で入力レベルを調整して出力レベルを変更する。今回は1kΩの可変抵抗で受けるとした。
それから、電源電圧は、多くのOPAMPが使えることを考え±15[V]、電源はレギュレータICを78/79シリーズのNJM7815、NJM7915を使うので、出力電圧と出力電流の負荷特性例のグラフから、通常は1[A]まで。過電流保護はフの字特性だから、1[A]以上では使ってはいけないのだが、趣味だから、過渡状態のピーク電流を2[A]までは許すとした。
スピーカはMacの横に置いて使うので普段は1[W]も出さないので、最大でも4[W]ぐらい。スピーカのインピーダンスr=6[Ω]でP=4[W]とすると、

   

から、出力電圧V=4.9[Vrms]となり、最大入力1.6[Vrms]の3.06倍になるので増幅度A=約3倍でよしとした。非反転増幅器の増幅度Aは

   

であるから、E24系列からR10=510[Ω]、R9=1[kΩ]とした。
4[W]だと出力電圧は4.9[Vrms]ピーク電圧では6.93[V]となるので、約±7[V]までは出力できる必要がある。15[V]の電源電圧から6[Ω]の負荷に7[V]の出力電圧を得るには、1.17[A]の出力電流なので、出力トランジスタのhfe=100とすると、ベース電流は約12mA必要で、出力電圧7[V]+トランジスタのVbe+エミッタ抵抗x1.17[A]=約8.5[V]となるので電源電圧との差電圧は約6.5[V]、この6.5[V]でベース電流12[mA]を確保するには電源電圧と出力トランジスタのベース間の抵抗は535[Ω]以下であることが必要である。



ここから先を決めていくのは、それぞれのトランジスタの特性が把握できていないと難しい。趣味の範囲だと、特性を確認することもままならないので、今回は適当に定めた。出力トランジスタのアイドリング電流は150[mA]。

ここまで振り返ってみると、いかに適当に造ってしまったか、冷や汗が出る。反省!すべて自分の機器だから、壊れても燃えても破裂しても、自己責任という趣味の前提だから、これでもなんとかいいというレベルだ。皆さん、このままは、造らない方が良いよ。次回は、もっとまじめに回路を造ろう。

この構成は、出力電圧が振れたときに出力トランジスタの一方の電流が流れなくなるAB級だから、高調波歪みが発生してしまう。次のスピーカ用のパワーアンプは、そこを変えたものにしたいなあ。